2006年05月25日

"Fury"のギター

NPGMCの玄関PVが"Fury"になっていました。
私が思わず注目してしまったのは、PVで殿下が持っているギター。
一見Stratocasterに見えますが、これは多分
Fender USA Bullet というギターです。
(ヴィデオ解像度でははっきりかくにんできないのですが、よく動き回ってるし)
Bulletというのは、80年台に生産されていた、Stratocasterの入門版という感じの安いギターなんですが、生産期間が短くて、今ではレアものとして結構いい値段がついているはずです。
Fender USAの製品ですが、おそらく日本で製作していたと思われます。

このBulletというギター、ストラトよりも若干ボディが小さくて、レースセンサー仕様のためパワーが安定しており、とても使いやすくていいギターらしいです。
私もFender USAのレースセンサー仕様Stratocasterを使っているのですが、とにかく安定感は抜群です。狙った音がすぐに出せるんですよ。

ギターというのは値段が高ければいい音がする、というものではなくて、安物でもとんでもなくいい音がしたり、逆に高くてもロクな音がでなくて、床の間に飾るくらいしか用途のないヤツもあります。
安いギターをいろいろいじって、いい音をさせるというのは、ギタリストには結構隠れた「お楽しみ」だったりするんです。CHARのMustangとかいい例ですね。

プリンスはこのギターに、おそらくチューニング・アジャスタをつけて使ってます。
いかにもプリンスらしいマニアックなギターの選び方で感心してしまいました。

ただ、アルバムの録音では"Fury"はStratoで弾いていると思います。だって、アーミング使ってるもん。
ところで"Fury"のギタープレイあらためて聴いてみたのですが……
スゴクいいじゃないですか。
今まで"Fury"だけ飛ばして聴いてたので気がつかなかった。やっぱり最初の先入観だけで聴くのはまずいですね。プリンスの場合には特に(反省)。
後半のJimi的なアーミングのプレイは、
☆☆☆☆☆ ものです。脱帽……
posted by BustaCat at 00:14| Comment(4) | TrackBack(0) | プリンス Prince | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月22日

さらばジャマイカ

思い出す限り、自分の記憶にある最も古い洋楽が「さらばジャマイカ」
亡くなった父が、ハリー・ベラフォンテのファンで
そのレコード(SP盤!)がウチにあった。
私がこのレコードを聴いていた年齢は推定四歳。このSP盤今でも持っている。
ハリー・ベラフォンテはカリプソ歌手として知られていて、おそらく「バナナ・ボート」を知っている人は多いだろう。
カリブ海周辺の黒人の労働歌や民謡をポップスアレンジして世界にヒットさせた人だった。80年代にはあの "We're The World"にも参加したっけ。
社会運動家としても活動していた人だった。

「さらばジャマイカ」はほのぼのとした和みの中にも、独特の哀愁を漂わせていて、幼児の頃の私を魅了したらしい。レコードが擦り切れるほど聴いて歌を丸暗記、お客さんが来ると歌って聞かせていたという。これは親の証言。
自分でもおぼろに記憶がある。レコードに針を載せる真似をして、かわりに自分が歌っていた(笑

Jamaica Farewell

Down the bay where the nights are gay
And the sun shines daily on the mountain top
I took a trip on a sailing ship
And when I reached Jamaica I made a stop

Down the market you can hear
Ladies cry out while on their heads they bear
Akee rice, salt fish are nice
And the rum is fine any time of year

Sounds of laughter everywhere
And the dancing girls sway to and fro
I must declare my heart is there
Though I've been from Maine to Mexico

But I'm sad to say I'm on my way
Won't be back for many day
My heart is down, my head is turning around
I had to leave a little girl in Kingston town

野暮は百も承知で訳してみました。雰囲気訳ね。

夜がご機嫌な港
昼には頂に陽を望む山
私は帆船で海をわたりそして
ジャマイカへたどりつく

市場をにぎわす声は
頭に荷をのせた女たち
アキィや塩魚はうまいし
ラムはいつでもご機嫌だ

笑い声はあたりにあふれ
踊りゆれるのは娘たち
メイン州からメキシコまで船出しても
心はいつもジャマイカに

船出のときがきて
またしばらくは戻れない
別れに沈む心を巡る
キングストンにいたあの娘

Akeeというのは辞書によると
Akie (or akee) rice is a Jamaican dish made from rice plus the fruit of a special tree called akee that grows in the Caribbean
だそうです。

この曲に関するハリーのインタビューを見つけました。

As a small boy, I spent many many years donwn in West Indias. Of the many hours of the many days of many weeks that I was there, I spent most of my time down at the docks,swimming with the other boys mainly, but also listening to the songs and the stories mainly, the sailors used to sing and tell.Many of them I would never ever be able to repeat. But of the ones that I can always remember whenever the sailors were leaving for another island of some far off country, they would sing the "Jamaica Farewell".
[拙訳]
幼い頃、私は西インド諸島で多くの歳月を過ごしました。その頃にはいつも、他の子どもたちと一緒にドックのあたりを泳いで遊んでいたのですが、水夫達の歌や話を聞いていることもしばしばありました。
その内容は多くは忘れてしまいましたが、ひとつだけ覚えていることがあります。それは、水夫たちが遠い国の港へと船出して行くときに、いつも歌っていたたのが「さらばジャマイカ」だったということです。

ということで、「さらばジャマイカ」というのは、カリブ海の水夫達の伝承歌なんですね。

調べてみて少し驚いたのは、この曲、チャック・ベリーがカバーしてるんですね(想像つかない)。でも、他のアーティストにもカバーがあると思います。

自分は、黒人音楽を聴くときに、背後で、ふとこの曲に漂うカリブ海のブルーと、そこに隠れた哀愁を聴いてしまうことが多い……のです。
posted by BustaCat at 01:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月13日

ハッピー・バースデイ スティービー・ワンダー

大事なことを忘れるとこでした。

今日は スティービー・ワンダー Stevie Wonder の誕生日!

1950年5月13日(土) Steveland Morris Judkins 誕生(ミシガン州)
Stevie Wonder was born Steveland Hardaway Judkins in Saginaw, MI, on May 13, 1950

いろいろ


ウチの息子と娘はそれぞれの部屋にCDコレクションを持っている。私のCDコレクションはリビングにおいてあって、まぁ誰でもいつでももって行きなさい、という状態になっています。
そんなわけで、聴こうと思ったときにCDが不在ということがよくある。
私は私なりの分類で整理しているのだが、知らぬ間に分類がどんどんくずれてゆくわけです。
よく不在になるCDは、スティービー・ワンダーとダニーハサウェイ。
この人たちは本当に年代を問わず、不滅なんですね。

そう言えば、ジャム・イロクアイのCDが数年ぶりにリビングに戻っていた(笑 あとで聴こうっと。

因みにジミ・ヘンドリックスは、私以外は誰も聴かない。とはいえ、友人の息子(高校生)は、ギターを弾く子なんだけれどジミを聴いて「これこそ僕の求めていた音だ!」と叫んだそうで、いつの時代もギター弾く子にとっては、ジミは不滅なんだよね。
プリンスは、娘が嫌いではないらしいが、彼女に言わせるとメイシオの方がカッコいいのだそうです。ある意味正しいが……なんだかなぁ(笑
娘はメイシオが来日すると必ずといっていいほどライブに参上します。

ウチにあるプリンスのCDを全て!ハードディスクに突っ込んだら35アルバム400曲以上あった。1.7GBだと。これでも持ってないアルバムも数枚ある。Rave IN〜を持ってないのは痛い。
近年あまりきかなったアルバムを中心に少しずつ聴いているのだが、予想通りと言うべきか、新しい発見をたくさんしてしまった。
今更ながら、この人の音楽の奥行きと幅は恐ろしいほど広いと感じる。本当に広すぎる。
にもかかわらず、ある種の『軸』はまったくぶれていないということを再確認した。これも考えようによっては驚異的だと思う。
posted by BustaCat at 17:32| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月03日

リズム&ブルースの死(続き)

theater.jpg 
 
 昨日の記事
の続きです。

 『リズム&ブルースの死』は、必ずしもネガティブなものではない。何故ならそれは、黒人の相対的な地位の向上を意味するからだ。R&Bは消えてなくなったわけではないし、今も多くの人に愛されているし、今後もそうだろう。
 ただ、著者が気に留めているのは、70年代のブラック・ミュージックにおける「世代交代」が、不必要に性急に行われたために、ある種の断絶がおきてしまった、ということ。それは、ソウルのベテラン達が不当に干されていったことを指している。つまり、ミュージック・ビジネスの巨大化の犠牲としてある種の断絶が起きてしまった、というのが著者の指摘だ。

 リズム&ブルースは死んだ、というよりもその役割を終えた、というべきだろう。その意味で言えば、ジャズは死んだし、ロックも死んだということになる。それらは皆、役割を終え、そしてニュー・クラシックとして再生して生き続け、愛され続けててゆくのだろう。
 そう言えば、かのジェフ・ベックが「ギタリストの役割は終わった」なんていう、寂しい発言をしていたのを思い出した……

 役割を終えた、ということで言えば、例えばマイルスは、十全にその役割を果たして去っていったのに比べ、ジミはその役割を終えることなく突然に逝ってしまった。

 思えば、プリンスという人は、改革者というよりは、最初からニュー・クラシックという役割を背負ってシーンに登場してきたのではないか。この本を読んだ後、そう思えてならない。

 ……意外と短くまとまっちゃったよ(笑
posted by BustaCat at 02:19| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月01日

リズム&ブルースの死



日本では『ヒップ・ホップアメリカ』で知名度が高いであろうネルソン ジョージの著書。
日本語版はピーター・バラカンさんが解説を書いている。
著者はブロンクス産まれの黒人で批評家という、ちょっとかなわない存在。ジャーナリスティックな黒人音楽批評が素晴らしい、というより非常に貴重だ。
ジャーナリスティックであるということは、非常に広い視野での社会的な視点をとっていると同時に、決して深く掘り下げ過ぎない、ということだ。
正直もっと早くに読んでいればよかったと後悔した。
あくまでもUSにおける黒人社会との関係において黒人音楽が語られており、その明快な視点が素晴らしい。
その黒人音楽年代記を私なりに乱暴に整理してみた。あくまで「私なり」なのでご注意を(笑

年台
社会
ミュージックシーン
全体
BLACK Music

WHITE Music

50 戦後の混乱から冷戦体制へ 冷戦構造下アメリカの
経済覇権の一翼を担うJazz
Be-Bopの誕生
Rhythm&Blues
Rock'nRoll
60

公民権運動
ベトナム戦争の泥沼化

Beatles
Woodstock
Soul Music
Black Is Beautiful
Rock
70
前半
 

Crosroverの時代
ミュージック・ビジネスの巨大化と、
それに伴うBlack, White市場の本格的融合

Funk
Reggae

New Rock
70
後半
黒人の相対的地位向上 Discoの時代 DiscoによるFunkの急速な弱体化 Disco
New Wave
80 冷戦構造の終焉
ポスト・モダン
価値の多様化と混乱

LPからCDへ。
デジタル技術によるPop Musicの再構造化

リズム&ブルースの死
ヒップ・ホップの台頭

テクノPop
90 経済による再差別化の時代 多様化と方向性の消失 ヒップホップの時代 知りません(笑

(90年代は私が勝手にくっつけました。因みに「経済による再差別化の時代」というのは、今の日本の勝ち組、負け組みというのとイコールです。黒人の下層がかつてとは別の意味で差別化され始めている、の意です。)

きわめてシンプルで「目からウロコ」!
また、個人的には、DiscoによるFunkの衰退が語られる部分には溜飲を下げる思いがした。 そしてさらに、この年代記は「マイルス・デイビスの黒人音楽史観」ともぴたりと一致する。その史観とは
「白人の中のちょっとHIPな連中が、黒人のスタイルを盗み取る。黒人は盗み取られたスタイルを、さらに黒人らしいスタイルで取り返す……」
というもの。
まさにこの「黒人らしいスタイルで取り返す」ときのキーワードが"FUNKY"なのだ。
そして、この著者は、プリンスを「レトロ・ヌーボー」と呼ぶ。あるいはプリンスを「黒人音楽の歴史家」と呼ぶ。
レトロ・ヌーボー! 今後プリンスを語る際には、この表現を使わせてもらうことに決定。
詳細はまた後日(笑 付記: 「これも好きかも」作業中
posted by BustaCat at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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