2006年05月01日

リズム&ブルースの死



日本では『ヒップ・ホップアメリカ』で知名度が高いであろうネルソン ジョージの著書。
日本語版はピーター・バラカンさんが解説を書いている。
著者はブロンクス産まれの黒人で批評家という、ちょっとかなわない存在。ジャーナリスティックな黒人音楽批評が素晴らしい、というより非常に貴重だ。
ジャーナリスティックであるということは、非常に広い視野での社会的な視点をとっていると同時に、決して深く掘り下げ過ぎない、ということだ。
正直もっと早くに読んでいればよかったと後悔した。
あくまでもUSにおける黒人社会との関係において黒人音楽が語られており、その明快な視点が素晴らしい。
その黒人音楽年代記を私なりに乱暴に整理してみた。あくまで「私なり」なのでご注意を(笑

年台
社会
ミュージックシーン
全体
BLACK Music

WHITE Music

50 戦後の混乱から冷戦体制へ 冷戦構造下アメリカの
経済覇権の一翼を担うJazz
Be-Bopの誕生
Rhythm&Blues
Rock'nRoll
60

公民権運動
ベトナム戦争の泥沼化

Beatles
Woodstock
Soul Music
Black Is Beautiful
Rock
70
前半
 

Crosroverの時代
ミュージック・ビジネスの巨大化と、
それに伴うBlack, White市場の本格的融合

Funk
Reggae

New Rock
70
後半
黒人の相対的地位向上 Discoの時代 DiscoによるFunkの急速な弱体化 Disco
New Wave
80 冷戦構造の終焉
ポスト・モダン
価値の多様化と混乱

LPからCDへ。
デジタル技術によるPop Musicの再構造化

リズム&ブルースの死
ヒップ・ホップの台頭

テクノPop
90 経済による再差別化の時代 多様化と方向性の消失 ヒップホップの時代 知りません(笑

(90年代は私が勝手にくっつけました。因みに「経済による再差別化の時代」というのは、今の日本の勝ち組、負け組みというのとイコールです。黒人の下層がかつてとは別の意味で差別化され始めている、の意です。)

きわめてシンプルで「目からウロコ」!
また、個人的には、DiscoによるFunkの衰退が語られる部分には溜飲を下げる思いがした。 そしてさらに、この年代記は「マイルス・デイビスの黒人音楽史観」ともぴたりと一致する。その史観とは
「白人の中のちょっとHIPな連中が、黒人のスタイルを盗み取る。黒人は盗み取られたスタイルを、さらに黒人らしいスタイルで取り返す……」
というもの。
まさにこの「黒人らしいスタイルで取り返す」ときのキーワードが"FUNKY"なのだ。
そして、この著者は、プリンスを「レトロ・ヌーボー」と呼ぶ。あるいはプリンスを「黒人音楽の歴史家」と呼ぶ。
レトロ・ヌーボー! 今後プリンスを語る際には、この表現を使わせてもらうことに決定。
詳細はまた後日(笑 付記: 「これも好きかも」作業中
posted by BustaCat at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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