2006年05月03日

リズム&ブルースの死(続き)

theater.jpg 
 
 昨日の記事
の続きです。

 『リズム&ブルースの死』は、必ずしもネガティブなものではない。何故ならそれは、黒人の相対的な地位の向上を意味するからだ。R&Bは消えてなくなったわけではないし、今も多くの人に愛されているし、今後もそうだろう。
 ただ、著者が気に留めているのは、70年代のブラック・ミュージックにおける「世代交代」が、不必要に性急に行われたために、ある種の断絶がおきてしまった、ということ。それは、ソウルのベテラン達が不当に干されていったことを指している。つまり、ミュージック・ビジネスの巨大化の犠牲としてある種の断絶が起きてしまった、というのが著者の指摘だ。

 リズム&ブルースは死んだ、というよりもその役割を終えた、というべきだろう。その意味で言えば、ジャズは死んだし、ロックも死んだということになる。それらは皆、役割を終え、そしてニュー・クラシックとして再生して生き続け、愛され続けててゆくのだろう。
 そう言えば、かのジェフ・ベックが「ギタリストの役割は終わった」なんていう、寂しい発言をしていたのを思い出した……

 役割を終えた、ということで言えば、例えばマイルスは、十全にその役割を果たして去っていったのに比べ、ジミはその役割を終えることなく突然に逝ってしまった。

 思えば、プリンスという人は、改革者というよりは、最初からニュー・クラシックという役割を背負ってシーンに登場してきたのではないか。この本を読んだ後、そう思えてならない。

 ……意外と短くまとまっちゃったよ(笑
posted by BustaCat at 02:19| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
興味深い本ですね。
ネルソン・ジョージさんの名前は、ロッキングオン誌で何度か見たことがあり、その文章もそれで読んだ記憶がありますが、この本は読む価値が非常に高そうですね。
レトロ・ヌーボーとは何でしょう?
復古調で新しいという意味なのでしょうかね?
この言葉で検索したら、面白いサイトを見つけられました。
http://srd.boo.jp/pw/?MusicNeoSoul

このサイトのオーナーも前述の本を読んでいるようです。
興味深い本をご紹介して頂き、ありがとうございます!
(ブログの方、ようやく6曲目です。なかなか進みません・・・)
Posted by PRINCE_CONTROL at 2006年05月08日 05:10
PRINCE_CONTROLさん、どうもです。
この本はなかなかに面白くてオススメできます。
レトロ・ヌーボーというのは、ニュークラシックとほぼ同じようなニュアンスだと思うのですが、著者が敢えて『レトロ・ヌーボー』と呼ぶのは、「伝統の断絶」の直後の80年代ニュークラシックを特別扱いしたかったのだ、と、私は解釈しました。

休み中にプリンスの全アルバムをハードディスクにつっこんで、ようやく準備だけはできました(笑
これから「これも好きかも」を探し始めます。
Posted by BustaCat at 2006年05月09日 01:10
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