2005年06月12日

BAND OF GYPSYS!

bandofG.gif

このアルバムはジミの生前のアルバムの中でもひときわの異彩を放っており、しかも重要なアルバムであると断言できる。

まず、ジミの生前唯一のライブ盤であること。
ジミの独自の『ブラック・ミュージック/ファンク』が全開になっており、それはジミの音楽でそれまで前面にあまり出てくることのなかった、もう一つの音楽的側面を最前面に出すものであったこと。
そして、まさにこのアルバムでの演奏がマイルス・デイビスを強くインスパイアしたこと。そのことで、ジミの影響力はロックの枠を超えジャズ全体にまで及ぶことになるということ。

BAND OF GYPSYS の活動期間はひどく短い。1969年の10月頃からリハを開始し、69年大晦日から70年の元旦にかけてのフィルモア・イーストでのライブが事実上最初で最後のライブとなる。1月28日にはマジソン・スクエア・ガーデンで行われたウィンター・フェスティバル・フォー・ピースというチャリティ・コンサートに出演するのだが、このときのジミは最悪の体調で、2曲を演奏しただけでステージを降りてしまう。体調が悪かった原因は、かなりひどいバッド・トリップだったらしい。これについては『陰謀説』まであるらしいが、真偽のほどは定かではない。
もともとこのアルバムは、ジミがキャピタルからリプリーズへ移籍するときの条件として、1枚のアルバムを提供することになっており、その契約を遂行するためのものだった。この契約遂行はジミにとっては少なからず負担であったようだ。
ステージは概ね好評であったし、USで70年の5月、UKで70年の7月にリリースされたアルバムは、USチャートでは5位、UKでは6位になっている。
ただ、気になるのは、ジミがこのアルバムの出来栄えに不満を持っていたという点だ。不満ではあったが契約上致し方なくリリースしたという発言が残っている。
しかし…このライブ・アルバムの出来に不満というのであれば、死後に次々とリリースされたライブ音源をもしジミが聴いたら、おそらく烈火のごとく怒ったに違いない……

内容の方だが、バンドというよりは、Jimi Hendrix featuring Baddy Miles のジャムと言った方が近いかもしれない。完成度は低いが、極めて聴き応えのある演奏になっている。ブラック・ロックが誕生した瞬間をとらえているといってもいい。ここでの演奏が後世のミュージック・シーンに与えた影響は著しく大きい。70年代のロックの大きな方向性を決定付けたのは、所謂、クリーム・ジミヘンスタイルのクラシカルなハード・ロック=トリオによるインプロヴィゼーション=であるより、BAND OF GYPSYS でジミが垣間見せたブラック・ロックという新しいスタイルの方ではないかと、私は考えている。

BAND OF GYPSYS は、P-Funkに火をつけた。そして、マイルスをインスパイアした。マイルスが、スライとジミから強くインスパイアされたことは間違いない。マイルス自身の言葉で、BAND OF GYPSYS の Machine Gun に衝撃を受けたという発言もある。
BAND OF GYPSYS のジミの衝撃は、まるで連鎖反応のように70年代ミュージック・シーン全体へとひろがっていく。そう思うと、70年のまさに幕開けに行われた、フィルモア・イーストのライブは極めて象徴的だ。

ぶっちゃけた話、私個人としては、BAND OF GYPSYS がムチャムチャ好きなので、正直なところ平常心で客観的な紹介などできない。
Power Of Soul といい、Changes といい、とにかくカッコいいだけの話ですよ。バディのちょっと不器用なドラムも素朴なコーラスもムチャクチャカッコイイです。ビリー・コックスのファルセットによるコーラスもキュート。
ジミのギターは、もう全面的に肯定してしまいます。アラ探すなんて無理ですよ。私には…
強いて言えば、もうここまでファンクな世界になってしまうと、もうちょっと違った…本物のファンク系のベーシストを連れてきたいですね。ビリーのベースが悪いわけではないのだけれど、所詮ロックのベースだよね。


f_east.jpg

1999年には、『LIVE AT THE FILLMORE EAST』がリリースされており、これで一部を除いて『BAND OF GYPSYS』の残りの曲を聴くことが出来るようになりました、

セットリスト

* が 『BAND OF GYPSYS』に収められた曲
+ が『LIVE AT THE FILLMORE EAST』に収められた曲

■December 31 (1st show)
Power Of Soul
Lover Man
Hear My Train A Comin' +
Changes +
Izabella +
Machine Gun
Stop
Ezy Rider
Bleeding Heart
Earth Blues
Burning Desire

■December 31 (2nd show)
Auld Lang Syne +
Who Knows +
Stepping Stone
Burning Desire
Fire
Ezy Rider
Machine Gun +
Power Of Soul
Stone Free / Sunshine Of Your Love
Changes
Message To Love
Stop
Foxy Lady
Voodoo Child (Slight Return)
Purple Haze

■January 1 (1st show)
Who Knows *
Machine Gun *
Changes
Power Of Soul +
Stepping Stone +
Foxy Lady
Stop * +
Hear My Train A Comin'
Earth Blues
Burning Desire +

■January 1 (2nd show)
Stone Free / Little Drummer Boy +
Changes *
Power Of Soul *
Message To Love *
Earth Blues +
Machine Gun +
Voodoo Child (Slight Return) +
We Gotta Live Together * +
Wild Thing +
Hey Joe
Purple Haze
posted by BustaCat at 02:00| Comment(3) | TrackBack(1) | ジミ・ヘンドリクス REVIEW | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして!lenmacさんのページから飛んできました。大変楽しく見させてもらってます!リンクさせてもらってもいいでしょうか?
Posted by KEN at 2005年06月12日 14:16
KEN さん。はじめまして。
コメントありがとうございます。

>リンクさせてもらってもいいでしょうか?
もちろん!
よろしくお願いします。
Posted by Busta at 2005年06月12日 19:52
ありがとうございます!ではさっそく!今後とも宜しくお願いします!ウチのBLOGはなにかと雑記も多いですが・・・
Posted by KEN at 2005年06月13日 17:06
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Excerpt: ジミヘンで有名どころというと、ノエル・レディング(B, Vo)と ミッチ・ミッチェル(Dr)で活動していた、EXPERIENCEが有名です。 ここで紹介する作品は、このEXPERIENCEの後に活動..
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