2005年06月18日

ジミ・ヘンドリックスは何故超えられないのか その2

前の記事の続きです。
結構挑発的な記事だったのですが、コメント頂けましたので、続き書きます。

60年代後半から70年代前半は音楽にとって特別な時代だった。これは誰もが認めるだろう。
でも、あの時代が特別だったのは音楽だけに限ったことではない。
メディアが異常に発達した20世紀において、『世界』と『音楽』は分かち難くシンクロしている。

60年代後半から70年代前半にかけて『変革』のエナジーはあきらかにピークだった。これは音楽に限った話ではない。
なにが、どう変わったか、ということは問題ではない。激しく変わったということが問題なのだ。

80年代を経て90年代にいたって、エナジーは完全に発散してしまった。
冷戦構造の終焉…
消費社会の極度の高度化…
まぁ、そういうムズかしいことは知識人にまかせておくとして、音楽の話に限定するのだが、
今や『変革』が消費される速度は、数十年前とは比較にならないほど速い。
ついこの間の画期的な『変革』が、あっという間に消費され『凡庸』になるまでに、さしたる時間を必要としない。
それで、
マイルスは、自分は音楽を4回か5回は変革した、と豪語する。ジミは、活動期間があまりに短かったが、少なくとも2回の大きな変革をやってのけた。

何が言いたいのかといえば、
例えば、マイルスやビートルズやジミ、そしてスティービーのような、音楽の世界レベルの大きな『変革』は、最早起こり得ないのではないか、というある種の危惧……に近いもの。

だから、ジミは超えられない。ギタリストとしてではなく『変革者』としてのジミを越えることは不可能だと思う。
神は二物を与えた……ジミは変革者に必要な才能をすべて兼ね備えていた。それはギターの技巧がどうこういうレベルの問題ではない。

今や、下手をするとアーティストの才能よりも、テクノロジーの方が音楽の重要なファクターになりかねないような時代になってしまったのだと思う。
アーティストがテクノロジーを駆使していた古き良き時代から、アーティストがテクノロジーに使われる時代がやってきてしまった。

そして、今、現在も活動を続けるプリンスの苦悩がこの辺りにある。
……でも、殿下はきっとうまくやってくれると信じている。
殿下はとびきりしたたかだし……



音楽は理屈じゃないよ、ヤヤコシイこと言うなよ、グっとくるものがあればそれでいいのよ……そう、その通り!

でもね、私達の感性……テクノロジーと消費システムのせいで、気づかないうちにどんどん「麻痺」しているかもよ
この記事へのコメント
>音楽は理屈じゃないよ、ヤヤコシイこと言うなよ、グっとくるものがあればそれでいいのよ……そう、その通り!

ほんと、その通り!
あの時代を知っている私達は「麻痺」してないと
思いますよ〜。
問題は生まれた時から「テクノロジーと消費システム」にどっぷり浸かってきた人達。
でも、生身の「人間」ですから。
今、60〜70年代の曲が10〜20代の(一部の?)人達に受けているのは、その表れかな?って思ったりします。
「生物的本能(?)」が、そんなにヤワじゃないと、思ってるんですよ、私(笑)
Posted by オクターブの共鳴音 at 2005年06月18日 18:54
オクターブの共鳴音 さん!
>「生物的本能(?)」が、そんなにヤワじゃないと
だ・大丈夫です!オクターブの共鳴音さんに限って言えば(笑

>60〜70年代の曲が10〜20代の(一部の?)人達に受けている…
これね。私もいろいろ考えさせられてます。
10代の子がジミに本能的に(?)反応するんですよ……
今度記事に書きます。
Posted by Busta at 2005年06月18日 20:51
あくまでも受け売りなのですが・・・
私が学生時代に7-11で深夜バイトをしていた頃の話。
10歳以上年上の方とコンビを組んでいたのですが、ドアーズのあの映画の話題から私が音楽に興味を持っていると知ったその方は、それ以降色々と音楽について指南してくれました。
中略
ジミは真空状態から音楽を生み出したという点でプリンスがどうやってもたどり着けない地平にいるとのこと。
そしてあの60年代はまだ音楽がビジネスではなかったということ。
ただし、音楽の優劣などは単なる思い込みに過ぎないということも仰っていました。
ちなみにその方は裸のラリーズでその昔マネージャーをやっていた経歴のある方で、最後に話をしたのは椎名林檎の『勝訴ストリップ』が出たときで、電話で「このアルバムはすごい。マジックマッシュルームを食べてから聴くと完全にトリップ出来る」と興奮して話してくれました。
プリンス級のマルチミュージシャンなどざらにいるとも言っていましたが、それ以降、私は「本当にそうなのか?」という疑問を抱いたまま現サイトの運営に至りました。
Posted by PRINCE_CONTROL at 2005年06月19日 00:21
PRINCE_CONTROL さん。コメントありがとうございます。
朝まで話をしても尽きない話題になりそうですので、ぼちぼちと、ゆっくり話ができれば嬉しいです。
ひとつだけ
>音楽の優劣などは単なる思い込みに過ぎない……
あらゆる「価値」は単なる思い込みです。
そして重要なのは、何故、人は、そのように思い込んでしまうのか、ということなんです。
音楽をはじめとして「表現行為」は、ある種の思い込みに「支えられて」成立していると、私は思います。
逆に言えば、思い込みではない「真の価値」というものを想定するならそれこそ真のイカサマです(笑
ミュージシャン達は、こんなヤヤコシイことは絶対に考えません。逆に、考えていたら創作なんてできません。彼らは純粋に価値を継承しようとしているだけです。新しいものを生み出すということもある意味で継承です。

なんか乱雑な物言いでごめんなさい……
Posted by BustaCat at 2005年06月19日 01:17
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