2005年10月10日

EARTH 対 TOWER

Earth Wind & Fire vs Tower Of Power
 どちらも、長い付き合いで、しかも深く入れ込んでいて、さらに生で何度か観ているので、面白半分に比較してみようという単なる思い付き。

 どちらもFUNKで棚割りされるのだけれど、自分にとっては、実は、全く別ジャンルに分けられる。
 もちろん、ブラスが入ってグルーブがFUNKでHIPという共通点があるにしても、決定的な差は、『アフリカ』をどれだけ感じられるか、という点。

 Earth Wind & Fire-EWFは、グルーブの重心が1拍3泊にあって、所謂オンビート。Tower Of Power-TOPは、グルーブの重心が2拍4拍にあって、徹底的にオフビート。この差は大きい。FUNK は FUNK でも、アフリカを感じさせるのは、やはりオンビート系になる。
 因みに南米(ラテン)系のグルーブは、この区分からいうと、オンビートとオフビートのポリリズム系で重心は真ん中(ミッドシップ)。乱暴な分類だけど……
 それでは、アフリカの(民族)音楽が、皆オンビート系なのかというと、実はそういうわけではない。ちゃんとオフビート系の音楽が存在するし、第一アフリカ大陸は広い。アフリカだけでも実に多くの音楽が存在するのだ。
 それでも、現代のFUNKグルーブのルーツであることが間違いないナイジェリアのJUJU〜呪術系のグルーブは、あきらかにオンビート系で、これを感じさせるビートは、アフリカ的に聴こえることは間違いないと覆う。
 因みにスライはオフビート系、これは、スライが極めてロック的なFUNKをやっていた、ということ。それで言えば、御大JBは、もう、紛れもなく完全にオンビート系。
 SOUL/R&Bといわれる音楽は、だいたいオフビート系。これらの音楽はもっぱらUSで展開したため、白人的なノリが強く混入している。その意味でFUNKは『原点回帰』なのだ。
 なんか図式的で単純すぎるかな(笑

 70年代の音楽シーンは、ロックを中心に展開していたのだが、そういう中で、アフリカ的なFUNKグルーブの台頭がとても印象的だった。マイルスとか、ハービーのヘッドハンターズとか、EWFとかね。そんな中、ロック・シンボルを代表する一人である、ジェフ・ベックが、オンビート系に挑戦して、それなりに善戦していたのが懐かしい。
 で、話をEWFとTOPにもどす。
 スタジオの音を聴くと、両者のグルーブの差は明確なのだが、ライブではその差はそれほどはっきりしなくなる。特にライブが白熱してくるほどに、グルーブの差はあまり感じなくなる。というか、イってしまえば、皆同じという事か(笑
 両者とも、ステージのオープニングは冴えない
 EWFは"Jupiter"、TOPは"What is HIP" なんだけれど、ぎこちなくて全くダメ。さらに、オープニングから30分くらいの間、エンジンがかからないのも両者共通。要するにスロースタータなんですね。
 それで、30分を過ぎたあたりから、少しずつエンジンが回ってきて、ステージ後半には、グルーブが爆発。ふと気がつけば、あっというまにエンディングの曲、という展開もまるで一緒。
 両者のステージには、もう一つ共通点があって、それは、一番目立つのがベーシストだということ。
 バーダインの場合、アクションがあまりにもド派手なので、目立つのは当たり前なんだけど、TOPのロッコ・プレスティアの人気はとても印象的だった。ロッコを目当てにステージを見に行った奴も結構多かったのではないだろうか。曲の合間に「ロッコ〜!!」という声が飛び交うのだもの。

 さて、と。
 最後にプリンスに触れておこう。
 この人の器用なのは、ここでEWFとTOPに代表させてしまった2系統のFUNKを、曲想によって、完璧に使い分けてしまうこと。この辺りの技の凄さは、皆さんご承知のとおり。
posted by BustaCat at 21:56| Comment(10) | TrackBack(1) | FUNK/P-Funk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ご無沙汰しております。
EWFとTOPの比較、面白いですね。私は両者ともベスト盤で済ましているという不勉強さなのですが、大変興味深く読ませて頂きました。(EWFの方はプリンスが曲を提供している『千年伝説』と『アバター』(でしたか?)の2枚のオリジナルアルバムを持っていますが、この頃のはもうEWFであってEWFでないような気もしています。前者は好きなのですけどね。そういえばEWFのメンバーの1人、フィリップ・ベイリーのソロにジェフ・ベックが参加してのがありましたよね。それは何故か持っています(笑))
オンビートとオフビート。
これは例えば「ズッ・ダン・ズッ・ダン」の「ダン」の方が重いのがオフビートになるのでしょうか?
よく使っている音楽用語ダスというHPで調べたもののいまいち理解出来ていません・・・

↓オフビート
http://www.ymm.co.jp/word/data.php?key=%A5%AA%A5%D5%A5%D3%A1%BC%A5%C8+%5Boff+beat%5D

>FUNKは『原点回帰』
 Funkを聴くたびに何か本能に訴えるような気分になるのですが、これは私の単なる思い込みかもしれません。(笑) プリンスもそうですが、Funkの要素があったからこそ聴き続けているような気がしています。
Posted by PRINCE_CONTROL at 2005年10月11日 09:23
今まで正直全く気がつかなかったです。もちろん全部の曲がそれれぞれではないと思いますが。改めて聴き直してみようと思います。スライも含めて。(勉強になるなぁ)

Posted by Paul at 2005年10月11日 17:47
PRINCE_CONTROL さん。どうもです。
>「ダン」の方が重いのが……
あ、そうです。
用語としてはやや曖昧ですが、
4分音符の偶数拍にアクセントがあるのをオフビートと呼ぶのが一般的だと思います。
8部音符の偶数拍について同様に言う場合もあります。
中には16分音符の偶数拍についてそういう言い方をする人もいるみたいです。
JAZZもR&BもR&Rもみんな基本的にはオフビートで、これは一般論。
FUNKはオンビートだというのは私の独自見解です(笑
それと、アクセントと重心は微妙に違います。本当に微妙で体感的。
PRINCE_CONTROLさんて、ものすご〜くまじめな方ですね。
失礼かもしれませんが、貴方のそういう面にもの凄く好感を感じます。

> Paul さん。どうもです。
スライにについては、正直微妙です。
でもJBは絶対オンビート!
あれにオフビートでノれる人はまずいないと思う。

結構、個人的思い込みも書いてますんで、
お願いだから勉強しないでください(笑
アテになりません。
そういう解釈もあるのだ、くらいでお願いします。
Posted by BustaCat at 2005年10月11日 22:47

少し反省してます。
今後、一般論と独自の意見・感覚は
はっきり・くっきりと区別して書くように心がけようと思います……です。
Posted by BustaCat at 2005年10月11日 23:04
では勉強ではなく「参考に」させてイタダキますネ〜^^
Posted by Paul at 2005年10月12日 08:24
>BustaCatさん
 詳細なご説明をありがとうございます!
 >4分音符の偶数拍にアクセントがあるのをオフビートと呼ぶのが一般的だと思います。8部音符の偶数拍について同様に言う場合もあります。

 例えばプリンスの曲でわかりやすい例を挙げると、"Let't Go Crazy"などでしょうか?逆にオンビートは何があるのでしょう?いまいち理解できていなかったりしています・・・
Posted by PRINCE_CONTROL at 2005年10月13日 09:49
面白い対決ですね(笑)
私もどちらも好きでライヴも
何度か行きました。

ソウルと同じでファンクという
カテゴリーの中でもかなり違いが
ありますよね。
ベース弾きの私としてはロッコと
ガリバルディのリズムセクションは
かなり魅力的です。
特にロッコのプレイはオンリー・ワン
的なベースなのでマニアックなファンが
多いと思います。
TOPの場合はファーストからほとんど
一貫してサウンドが変わってないのも
特徴ではないでしょうか。
80年代にちょっとお洒落路線に走りそう
になってた低迷期がありましたが。

EW&Fは私の中では「太陽神」以前と
以後に勝手に分けて聴いてます(笑)
土着のファンクから始まって、このアルバム
以降ファンクのグルーブを残しながらも
ディスコ、ブラコン路線に変化していった
のがTOPとの大きな違いの一つでも
あるように思います。

でもバーダインの顔はいつ見ても
ファンクです(笑)
Posted by ジャックスケリントン at 2005年10月13日 19:43
PRINCE_CONTROL さん
思いつくまま、Princeの曲で
オンビート重心に感じる曲を並べてみま。

【正統派グルーブ】
Musicology

【正統派にヒネリ系】
Tamborine
Pop Life
Houseuake
New Power Generation(Grafiti Bridge)
U Got The Look
Eye Know
Life 'O' The Party

【激しくPrince風の奇妙なリズムづくり】
Kiss
Hot Thing
New Position

特にNew Positionは、とても奇妙に感じます。
リズム・バターンが完全にオフ・ビート系なのに、何故かグルーブをオンに感じる……

プリンスの場合、グルーブへのこだわりがほとんど偏執的なので、乱暴に二系統に分けてしまうのはつらいです。

ジャックスケリントンさんどうもです
>TOPの場合はファーストからほとんど
一貫して
そうですね。なんか、もう職人芸の世界を感じます。

>「太陽神」以前と以後に……
あぁ、これ痛いな(笑
私も正直言えば複雑な心境はあります。
ただ、最新アルバム良さそうですよ。
FMで聴いただけでまだ買ってませんが。

>でもバーダインの顔はいつ見てもファンクです
ぷははは。彼は顔も芸ですから。



Posted by BustaCat at 2005年10月14日 02:09
返事遅れました。
たくさんの例をありがとうございます!
今、”Musicology”を聴いているのですが、リズムだけを集中して聴くと、けっこう、というかかなり複雑で細かいリズムなのですね。
余談ですが、”Life 'O' The Party”、これは複数のドラムを使っているのですよね?1人で叩けるものなのでしょうか?
こうして聴いてみるとオンビートというのは前のめりという印象があります。
また余談ですが、個人的に”Hot Thing”のリズムパターン、大好きです。では、またです。
Posted by PRINCE_CONTROL at 2005年10月16日 00:55
”Life 'O' The Party”のドラムですが、あれをドラムと呼んでいいのか迷います(笑)……
単純な反復ではないですし、多分打ち込みだと思いますが、これも憶測です。わかりません。

ところで"Hot Thing"私も好きです。
Posted by BustaCat at 2005年10月17日 02:32
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Tracked: 2005-10-11 09:47
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