2008年03月29日

"Red Earth" Dee Dee Bridgewater

Red Earth -Malian Journey
Dee Dee Bridgewater
01) AFRO BLUE
02) BAD SPIRITS
03) Dee Dee
04) MAMA DON'T EVER GO AWAY
05) LONG TIME AGO Footprints
06) CHILDREN GO ROUND (Demissenew)
07) THE GRIOTS
08) OH MY LOVE "Diarabi"
09) FOUR WOMEN
10) NO MORE
11) RED EARTH "Masani Cisse "
12) MEANWHILE
13) COMPARE TO WHAT

最近こればかり聴いています。強く推奨できるアルバムですが、もったいないので自分一人で聴いていたいような気さえします。
個人的には、ここ数年に聴いた新譜の中でベストのアルバムと言ってしまってもいいです。

アフリカへのルーツ回帰モノという企画は決して珍しくありません。しかし、このアルバムは、単なる企画モノという範疇で語ることのできない凄みを帯びています。
何故、今、アフリカのマリで録音するのか、という、その経緯については こちら を参照してください。

とりあえず、その雰囲気を触りだけでも味わってもらおうと、動画を見つけました。
冒頭をマリのグリオット Bassekou Kouyate の妻Ami Sako(?)が歌い上げた後で、Dee Dee が物凄いパワーで突っ込んできます。
かなりの聞き物だと思います。
ジャンルはJAZZです。World Musicではありません!


このライブ(TV用ライブ?)はかなり荒っぽい演奏ですが、アルバムの方では、マリの伝統音楽(Malian Music)とDEE DEE のJAZZが、美しくも力強いコラボレーションを聴かせてくれます。
素朴な音楽に心和む、という類のものではありません。緻密で濃密なアンサンブルに圧倒されるような出来栄えです。
前述のように、例えば、JAZZ にアフリカン・フレイバーをスパイスのように効かせる、といった企画は決して珍しいものではありません。
しかし、このアルバムは、マリの音楽(Mailan Music)と、Dee Dee の JAZZ が見事に融合して、全く新しい世界を作り出しています。ミクスチャーというよりは、文字通りの「融合」です。あるいは、錬金術とまで言ってしまいたい。

Malian Music は、おそらくですが、USのBlack Musicからの影響を受けていると思います。というか、今、USのBlack Musicから無縁の音楽など世界中どこにもないかもしれません。ですから、JAZZとのコラボレーションは、自然に出来上がるのかもしれません。もちろん、これだけの傑作が生まれたのは、Dee Dee の実力あったのことであるのはいうまでもありません。
しかし、US Blackの影響を受けながらも、一方でMalian Musicの伝統を大切に守っているという、背反するような面もあるのだと思います。

1) AFRO BLUE は、モンゴ・サンタマリアの曲で、まさにこのアルバムの冒頭を飾るにふさわしい曲です。何故ならMalian Musicの神話世界にいきなり引きずり込まれたら、誰しも戸惑いと覚えると思うからです。この曲に続けてアルバムはMalian MusicとJAZZの濃密なコラボレーションを深めながらマリの神話世界へと進んでいきます。彷徨いを牽引するのがDee Deeの力強い Voval です。神話世界を彷徨う眩暈から、Dee DeeのVoiceでしばしば目を覚まされます。
特にタイトルトラック 11) RED EARTH "Masani Cisse " は、圧倒的な力を持っていて。それは、African Blues とでも表現したらいいでしょうか。ほとんど息もつけないような素晴らしい曲です。

Mailan Music は、パーカッションの饒舌はいうまでもないのですが、弦楽器のアンサンブルが非常に印象的です。ハーモニーを作るというよりは、パーカッシブに弾き出される音がつづれ織りを成していくという感じです。

Mailan Music の楽器はとても興味深いものたちなのですが、このアルバムに登場する楽器をわかるだけ紹介したいと思います。

□弦楽器

■Kora
ハープのような楽器。西洋のハープと比べると荒削りな音がしますが、よりパーカッシブです。
■ngoni
ギターですね。ビデオにも出てきます。不思議な形をしていて、音も確かにギターなのですが不思議な音色です。低音用と高音用があるみたいです。
■Calebasse
これはギターとハープの中間のような楽器です。見た目は三味線に縦方向に10本以上の弦をはったようなものです。
■sakou ?
これは調べたんですがよくわかりませんでした。見た目は弦が1本のフィドルという感じ。音は、低音部はチェロのようで、高音部は中国の胡弓のようにも聴こえます。これが出てくるとなにやら中東の音楽の雰囲気も混じってきます。

□パーカッション

■Djembe
オーソドックスな太鼓です。これは日本でもよく見かけます。
■Tamani
トーキングドラムの比較的小型のもの。ちょっと日本の鼓に構造が似ています。極めて表現力が豊かで、まさにトーキングドラムです。
■Dam-Dam
トーキングドラムです。名前が音をそのままに表しています。Tamaniに比べると、低めで迫力のある音がします。

■balaphon
マリンバです。ほとんど音階付きのパーカッションという感じで使われます。

この他の楽器も入っていると思いますが、マリの公用語はフランス語で楽器名がフランス語表記なんですね。その上ライナー記述が筆記体でえらく読みづらい。日本版を買った方がよかったかもしれません。

この記事へのコメント
Dee Dee BridgewaterのCDはこれしか聴いたことがありませんでした。

http://www.amazon.co.jp/Love-Peace-Tribute-Horace-Silver/dp/B0000046Z4/ref=sr_1_5?ie=UTF8&s=music&qid=1206856989&sr=1-5

ライブ映像から察するに、様々な楽器の音が細かく織り込まれたサウンドのようですね。
日本盤を買ってみようと思います!ご紹介ありがとうございました。

ところで、アフリカのマリと言うと、ご存知かも知れませんが、ティナリウェンというバンドが面白いですね。

http://www.amazon.co.jp/gp/switch-language/product/B000AZ6LTY/ref=dp_change_lang?ie=UTF8&language=en%5FJP

ロバート・プラント大絶賛というバンドなのですが、ギタリストであるBustaCatさんに是非聴いて頂き、感想を聞いてみたいです。
Posted by PRINCE_CONTROL at 2008年03月30日 15:15
PRINCE_CONTROLさん。どうもです。
ティナリウェンは、中村とうよう先生が以前から絶賛していて気になっていました。ロバート・プラント大絶賛というのは初耳です。
試聴しただけですが、すごく面白そうです。Jimi Hendrixが時々気まぐれに奏でる摩訶不思議なフレーズのルーツがこの辺りにあるような気がしました。同時に、ティナリウェンのギターの人はあきらかにロックを聴いて影響を受けてるわけで、こんな風に、ルーツと末端が影響しあうという関係が、私にはとても「いとおしく」思います。
ティナリウェンは、今度じっくり聴いてみようと思います。
Posted by BustaCat at 2008年03月31日 00:07
Dee Dee は「Just Family 」から聴いてますが
歌声が変わらないのには驚かされます。
アフリカ、ルーツへの回帰ということですが
非常に興味深く聴かせてもらいました。
やはりアフリカ系の打楽器が入ると、リズムの
躍動感が全く違ったものになって面白いですね。
Dee Deeも生で聴いてみたい歌手の一人です。




Posted by ジャック at 2008年03月31日 00:56
ジャックさん。どうもです。
>Dee Dee は「Just Family 」から聴いてます

私も「Just Family 」からです(笑
このアルバム随分と話題になりました。Dee Dee も凄かったけど、スタンレイ・クラークもかっこよかったですよね。
この当時からすでに貫禄ありましたが、今や大貫禄となりました。
ベテランになっても、衰えるところを知らないというのか、むしろパワーアップしてる感じさえします。
Posted by BustaCat at 2008年03月31日 23:01
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