2005年11月13日

Illuminationを聴く

EWF_Illumination.jpg

■1. Lovely People
feat. Will.i.am [prod. by Will.i.am]
■2.Pure Gold
[prod. by Jimmy Jam & Terry Lewis]
■3.Talking Voice, A (Interlude)
■4.Love's Dance
[prod. by Jimmy Jam & Terry Lewis]
■5.Show Me The Way
[prod. by Raphael Saadiq]
■6.This Is How I Feel
feat. Sleepy Brown [prod. by Organized Noize]
■7.Work It Out
[prod. by Raphael Saadiq]
■8.Pass You By
[prod. by Raphael Saadiq]
■9.The One
[prod. by Organized Noize]
■10.Elevated
feat. Floetry [prod. by Darren Henson & Keith Pelzer]
■11.Liberation
[prod. by Vikter Duplaix]
■12.To You
feat. Brian McKnight
■13.Love Together
[prod. by Walter Afanasieff, Raphael Saadiq]
■14.The Way You Move
feat. Kenny G

 EW&Fの最新作。
 このアルバムで、世代を超えたかなり大胆なコラボレーションを試みたのは、SANTANAの"Supernatural"の成功を意識しての事だという。 プロデュースはもとより、ソング・ライティングまで全てをアウトソーシングしたとき、後に残る『コア』、つまりは『EW&F』らしさとは何だろう。というのが、このアルバムのハイライトであると思う。その結論は、このアルバムを聴いてみてください(笑

 古いファンの中からは、「らしくない……とか、「薄い……」といった批判が出てきそうだし、モーリス・ホワイト自身、その手の批判は最初から覚悟の上でこのアルバムをリリースしていると思われる。逆に言えば、サウンドが変わってもEW&FはEW&Fだ、というプライドがこめられている、と受け取ることもできる。
 それに、いまさらEW&Fに、ド派手なバリバリFUNKを期待する人はいないよね(笑

現在のコアメンバーは、

Maurice White
Verdine White
Philip Bailey
Ralph Johnson

このメンバーは、CBSへ移籍した1972年時のメンバーをほぼひきついでいる。
因みにその1972年時のメンバーは

Maurice White - vocals, drums, kalimba
Verdine White - bass
Philip Bailey - vocals, congas, percussion
Jessica Cleaves - vocals
Larry Dunn - keyboards
Roland Bautista - guitars
Ronnie Laws - soprano and tenor saxophone, flute
Ralph Johnson - drums, percussion

 結局のところ、コアメンバー達の『声』〜コーラスと、バーダインのベースが聴こえれば、それはもうEW&Fサウンドのコアを形作れるのかもしれない。さらにクレジットを良く見ると、ホーンアレンジに Jerry Hey の名前が見える。この人は全盛期のEW&Fのホーンをアレンジしていた人で、この"HORNS"もまたEW&Fのコアの一部と言っていいだろう。

 前評判に反して(?)、私は今回のアルバムは、きちんと『EW&Fらしい』サウンドになっている、と感じた。これだけ大胆なアウトソーシングを行ってもEW&Fらしさが維持できるというのは、アウトソースを受託した面々の腕前を評価すべきだろう。殊に5.Show Me The Way におけるRaphael Saadiqの絶妙な巧さには、爆笑するほどまで感心してしまった。しかし、それにもまして、(ブラック)ミュージック・シーンにEW&Fサウンドというものがいかに深く根付いているか、ということの証をみることができるだろう。
 SANTANAの成功を意識したというのが、嘘か本当かはわからないが、いずれにせよベテランの行き方(生き方)としては当然で必然であろうし、また、健全でもあるとも思う。
 一方で、そうした行き方は、コアの空洞化というリスクもはらんでいる。丁度引きあいに出たSANTANAにも、方向性を完全に見失って悲惨な状況だった時期があった……。

 さて、概ね「よい」印象をもっている今回のアルバムだが、敢えて物足りない点をいくつかあげてみると。
 もともとモーリス・ホワイトという人は60年代ポップ・ジャズ出身の人で、EW&Fにおいてもそのポップ・ジャズのHIPなセンスがかなり強く活きていたように思う。例えばブラジリアン・フレイバーなどというのも、そうしたHIPなセンスの一部であったように思われる。そのHIPなセンスを全盛期のメンバーであるLarry Dunnあたりが、非常に巧みに纏め上げていた。
 今回のアルバムにはそうしたHIPなセンスが欠落しているように感じられる。代わりにHIP-HOPなセンスが溢れている……というのは単なる洒落〜言葉遊び以上のものがあるように思えるのだが……どうだろう。

posted by BustaCat at 22:03| Comment(9) | TrackBack(1) | FUNK/P-Funk | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なるほど〜。いつもながら納得してしまいます。
個人的には、今回はファンクが足りないような気がしてましたけど、確かに彼らにバリバリFunkはもう無理か、、、。
モーリス・ホワイトの勇気ある前進に僕もついていこうと思い直しました。
 
とりあえずは、来年の来日公演、行ってきま〜す。
Posted by g__g at 2005年11月15日 20:49
>とりあえずは、来年の来日公演、行ってきま〜す。
おおっ、やっぱ行きますか。
私は多分行けないので、リポートお願いしますです!

でも、私も行きたい!
というか、モーリスに会いたい(笑
Posted by BustaCat at 2005年11月16日 01:21
全体的な印象としては「お洒落でクール」
21世紀のアースの姿なんでしょうね。
この「らしい」「らしくない」の基準は
やっぱり「太陽神」あたりを基準にして
皆さん感じてるんでしょうかね?

全盛期?大阪府立体育館でのショー
ベースは宙に浮いてソロ弾くわ
メンバーは消えていなくなるわの
怒涛のファンク・イリュージョンを
見ているだけに、今のアースを
見たいような見たくないような
複雑な気分です(笑)

アル・マッケイとフェニックス
ホーンズが頑張ってた頃が懐かしいです。
Posted by ジャックスケリントン at 2005年11月17日 11:54
横からいきなり申し訳ないんですが、全盛期のライブ映像ってどのDVDで見ることが出来ますか?
1981年のライブ映像「イン・コンサート」というのは持ってるんですが、格闘シーンこそあるもののイリュージョンはしていませんでした、、、。
もしもご存知でしたら是非ご教授下さい。僕も伝説の目撃者になりたいです!
Posted by g__g at 2005年11月17日 20:29
何度もお邪魔してすいません、、、。
BustaCatさん。拙いライブ・リポートになるとは思いますが、出来るだけ頑張りま〜す!
Posted by g__g at 2005年11月17日 20:34
ジャックスケリントンさん。
アースのベスト・アルバムに "Gratitude" をあげる人は、「太陽神」の後に境界を感じるんじゃないでしょうか。
私はあの当時 "Boogie Wonder Land" あたりからちょっと「はずれた」感じしましたもん、あくまで『当時』ね(笑

g__g さん。
「イン・コンサート」DVD、私も持ってますが、内容的には十分全盛期だと思いますよ。Rバウチスタのギター・カッティングが超人的……
Posted by BustaCat at 2005年11月18日 00:24
g_gさん>
初めまして!
残念ながら「イン・コンサート」が唯一
全盛期の映像のようです。

でも、あのショー自体の映像は存在するはず
なんですよ。観た事ありますから。
ブート・ビデオなら出ているかもしれませんね。
Posted by ジャックスケリントン at 2005年11月18日 01:34
EW&Fの掲示板でも作りましょうか(笑

知人が、NHKで放映されたものを録画したビデオを持っています。
年代は不明ですが多分全盛期、バーダインが宙吊りになります(笑
Posted by BustaCat at 2005年11月18日 22:13
ジャックスケリントンさん、BustaCatさん、
本当にありがとうございました!
どうやら映像自体は存在しているみたいですね。西新宿あたりでブートDVDでも今度探してみま〜す。
ヴァーダインの宙吊りベース、見てみたいなぁ。
前回の来日ライブでは、モーリスが違う意味で途中で消えていったのは見たんですが、、、。

久し振りに「イン・コンサート」を見直してみます!
Posted by g__g at 2005年11月18日 22:47
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Excerpt: アースのニューアルバム「ILLUMINATION」が発売されましたね! 正確には輸入盤が9月20日ごろに発売され、国内盤は10月5日ごろだそうです。 しかも、僕が購入したUS盤は13曲収録なのに、..
Weblog: Around the EARTH 〜大地と風と炎と〜
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