2008年05月13日

Planet Earth〜PRINCE_CONTROL さんへのお返事

以下は、前の記事「Planet Earthのレビュー」にPRINCE_CONTROL さんがつけてくれたコメントへのお返事です。

PRINCE_CONTROL さんは>今年出るアルバムのための軽い前口上のようなもの と仰っているのですが、そうであることを切に願います。

なるほど、仰るとおりこのアルバムは「戦略的」なのかもしれません。
聞くところによればPrinceのアルバム セールスの半分はUSで、残りの半分がUS以外だそうです。日本はその中でどのくらいのシェアなのでしょう?
世界というマーケットを相手にした音楽戦略というのは、とても私に想像のつくものではありません。
このアルバムのセールスがどの程度であるのか知らないのですが、雑誌などの批評や、若い(と思われる)人たちの反応を見ると、戦略はかなり成功しているように見受けられます。
Princeという人は、今更言うまでもなく、コンポーザ、アレンジャー、プレイヤー、プロデューサ、エンジニア、そしてマーケッターとしても、全方向てにおいて優れた人です。この手の人が避けられないのが「八方美人」という罠だと思うのです。
音楽に限らず八方美人は退屈です。そしてもう一つの罠が「器用貧乏」ですね。
思うにPrinceは、自分の作品の「八方美人」、「器用貧乏」的な退屈さに対して一貫して強い抵抗を示してきたのではないでしょうか。それが、今回のアルバムについては文字通りの「八方美人」にハマっているように私は感じます。

これは私の個人的な思い込みですが、Princeの音楽作り方法論というのは、一旦「八方」に職人的な目配りを施した平衡を作り出した後に、その平衡を一部わざと壊して完成とする、というものだと捉えてきました。こうした方法論自体はて手練のベテランがよく使うものですが、Princeの場合、最後の壊し方がいつも常軌を逸していて、それが私にとっては何よりの魅力であると感じてきました。ですから『Planet Earth』の不気味な?平衡は私には捉えどころがありません。

ただし、「八方」とはいっても、何故かFUNKが完璧に外されています。言っちゃえば「七方」ですね(笑
これが何を意味するのかは、次のアルバムを聴くまでわかりません。要するに希望的観測もできますね。

とはいうものの、私は"Chelsea Rodgers"で完全に脱力してしまっているもので、『Planet Earth』に対する評価は当てにならないと、我ながらに思っています。歌詞も正直なところまともに読んでいません。
ですから、私が聴き落としている点、見落としている点、気づかずに済ましてしまっている点を指摘してもらえるのはとてもありがたいです。
"Lion Of Judah"の歌詞を読んでみましたが、結局よくわからないのです。察するにこれはベタなアレゴリーなのではないでしょうか??
それと、アルバムの最初と最後をメッセージソングにして他のポップチューンを挟む形にしていますが、これはあまりにもわかりやすすぎて、思わせぶりなポーズではないかと感じています。Princeの歌詞に載せられたメッセージというのは、いつもポーズに過ぎないと思うのです。これは批判ではなく「正しい」姿勢だと思っています。何故なら音楽はそのものがメッセージですから、歌詞が本気で自己完結するメッセージを持ってしまうことは、音楽に対する侮辱だと思うからです。
もちろん、歌詞がどうでもいい、などとというつもりでは毛頭ありません。むしろ非常に重要です。ただしメインの素材=サウンドをよりいっそう美味しくいただくための添え物としてです。

以下は余談です。

PRINCE_CONTROL さんは、このアルバムのドラムが「軽い」と仰ってるのですが、私には「自然」に聞こえます。これってまさにジェネレーション・ギャップではないかと興味深く感じます。生のドラムの音というのは本来そんなに重いものではないと思うんですね。それが、サンプリング音源のドラムが主流になるにつれて、生のドラムの音までミックスの段階で重く録音するのが一般になってまいました。これって時代の流れ・・・ですね。

とにかく"Chelsea Rodgers"に不必要に過剰反応するのは頑固親父的でやや醜悪かとは思うのですが、これはもう生理感覚なのでどうしようもありません。若い人がこの曲を聴くと新鮮かもしれない・・・今時のサウンドに慣れた耳には生バンド的な(軽いドラムの)ダンスサウンドというのは多分新鮮でしょう。
ファッションショーで使われたとか、Chelsea Rodgersというのがモデルの名前?という話題を見ると、そういうものとして軽く流すのがこの曲に対するまともな態度かもしれません。
ところでデビューアルバム『For You』に収められた"Just As Long As We're Together"ってぎりぎりディスコでしたね。久々に聴きなおしてみましたが、単なるディスコでないことを必死にアピールしているところ(アレンジとかベースラインへのこだわりとか・・・)に若き日のPrinceを思い切り感じることができます。

PRINCE_CONTROL さんは"Chelsea Rodgers"とCrystal Ball"収録の"Make Your Mama Happy"に繋がりを見つけたようですが、私には見つけられませんでした。でも"Make Your Mama Happy"のような曲が次のアルバムに入っていたら、私は多分狂喜乱舞するでしょう。

それと、デニス・チェンバースの同名アルバムというのは私は聴いていないのですが、Adam RogersのソロとギタリストとしてのPrinceのソロを比べるのはちょっと無理があるのではないでしょうか。なんか朝青龍と亀田興毅を対戦させるみたいです(笑

Planet EarthでのPrinceのソロは、あくまでスタジオ・ミュージシャン的なソロというか、バックプレイとしてのソロなので、JAZZのソロとは比較不可能だと思うんですね。"Planet Earth"のソロは、スタジオ・ミュージシャン的なソロとして相当弾けてる(いけてる)と思いますです。

ところでデニス・チェンバースの同名アルバムカッコよさそうですね、買おうかな・・・
posted by BustaCat at 01:50| Comment(2) | TrackBack(0) | プリンス Prince | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お返事遅くなりました。

記事を一つ頂きましてありがとうございます。

"Make Your Mama Happy"は聴き直してみたら、違うようです(汗)初めて"CR"を聴いた時に何となくホーンの感じが似ているなあと思った次第です。
"Make Your Mama Happy"は確かMayteにスライサウンドの特徴を教えるのに作ったとかでしたね。

デニス・チェンバースの"PE"比較の件も勉強になりました。いやもう感覚だけでぺらぺらと話しておりました。全くお恥ずかしい限りです。
デニス・チェンバースは、元NPGのベーシストであるロンダ・スミスのベースクリニックに参加した時のロンダへのインタビューコーナーで、「共演したいドラマーは?」との質問に対して、ロンダが答えたドラマーの一人でして、それが聴いてみようと思ったきっかけでした。
"Planet Earth"というタイトルは検索するとたくさん出てきそうなタイトルですよね。

先日、テレビ出演で披露した新曲"Turn Me Loose"は聴きましたか?

Bustaさんの感想を是非聞いてみたいです。

それではまたです!
Posted by PRINCE_CONTROL at 2008年05月26日 01:32
PRINCE_CONTROLさん。引っ張り出しちゃったみたいですいません。コメントありがとうございます。
曲を最初に聴いたときの第一印象ってすごく大事だと思うんですよ。聴き込んでしまうと第一印象は二度と帰ってきませんから。
だから最初に聴いたときの「あ、アノ曲に似ている」みたいな印象って、自分はすごく大事にしてます。

だからBLOGヘッダーに
When you hear music, after it's over, it's gone in the air.
You can never capture it again.
なんて、書いてます。

ところで、"Turn Me Loose"聴きました!!
鼻血出そうになりました(笑
3コードのFUNKってJBかよ!・・・みたいな・・・
私を殺すにはこれで十分です(笑
なんだか、「向こう」はわかってて、じらされてるような気がします。参りました。
Posted by BustaCat at 2008年05月26日 22:06
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